カイロプラクティックとは、1895年(明治28年)にアメリカのD.D.パーマーが発表した、手技による療法のことを指しています。
カイロプラクティック[chiropractic]という言葉は、「手」をあらわす[chiro]と、「技術」を表す[practice]の複合語です。[語源:ギリシャ語]
「手当て」という言葉をみてもわかるように、「手」による治療は古来からごく自然に行われてきました。はるか昔、医聖と呼ばれたヒポクラテスがギリシャで手技による治療法を用いていることでもわかるとおり、「手」による治療は、医療の原点であるといえるかもしれません
カイロプラクティックの大きな特徴は、病因の追求・診断・施術・予防など、その中心にあるのが、「手」で行う手技にあることです。
薬や手術による治療とは異なり、自然の法則に従った人間の身体の仕組みを生かして、健康を保つ人間にやさしい医療なのです。
カイロプラクティックの施術は、骨格や筋を調整することを中心としています。脊柱と骨盤の矯正を主としていますが、他の関節部分の矯正も行います。いわゆる“骨のズレ”による様々な障害を、カイロプラクティック療法を用いて改善していきます。
専門的に言うと、「骨格・関節・筋・腱などに関する解剖学・生理学・機能学・病理学などの学問を基に科学的・理論的に技術を構築し発展させ、脊椎・骨盤・頭蓋・四肢の関節障害を手技によって矯正し、脊髄神経の障害を取り除いたり、関節の運動障害を取り除くことによって各種の状態を改善させることを目的とした療法」ということができます。
また、施術そのものだけではなく、
- 施術前の検査(問診・視診・触診・整形外科的検査・バイタルチェックなど)の実施
- インフォームドコンセントを行い、患者の状態を説明し、理解と同意を得ること
- 生活環境の改善指導などのアフターケア
も重要な要素です。今後、カイロプラクティックには、代替・補完医療の一分野として、プライマリーケアの一翼を担う役割が期待されます。
現代におけるカイロプラクター像は、
- 医療分野の一員として公衆の健康ニーズに関心をもつ。
- 健康時および健康が損なわれた時において、専門分野である人体の構造と神経学的側面の関係に特に注意を払う。
- カイロプラクティック関連科目と共に基礎医学・臨床医学も学んでいる。
- 医療提供システムの入り口に位置する者として、患者の最善の利益に即して、自分の患者に対し以下を満足に行使できる教育を受けた者
- (カイロプラクティック的)診断
- 健康時・施術時に渡るケア
- 必要時における他のヘルスケア提供者への適切な患者紹介や彼らとの相談
と言うことができるでしょう。 |